新型コロナワクチンの穴場というより特等席です

更新日:2021/06/26

 他国に遅れて日本でも新型コロナウイルスワクチン接種が始まりした。長年ワクチン診療をしてきて、これほど扱いにくいワクチンは初めてです。ワクチンは極低温での保存または最近30日に延長されましたが当初は配送後5日間しか冷蔵保存できず、1本のバイアルが5人分という集団接種向きのワクチンで、溶解後6時間以内に使わなければならないので同日にまとめて多人数の接種をすべきと、難点だらけです。今年の年始に岸和田市から新型コロナワクチンを打つのか打たないのか問合せがありました。取り扱いが難しいのに1本当たりの対価がインフルエンザワクチンなどと比べて安く、考えさせられました。岸和田市の計画では半分を集団接種で半分を個別接種でするというものでした。集団接種に出務する時間はないので私は個別接種で協力することにしました。相手がいつもの子供ではなく大人ですが、扱うのは手慣れたワクチンなので、ここはワクチン屋の自分の出番と思って、気張って月に1000本打つと回答しました。

 私もワクチンの予約は難しかったです。医療関係者のワクチン予約はLineで大阪府に友達申請するのが入り口でした。何これ?友達申請?が1回目の躓き。いつも通りタブレットで入力すると拒否され、スマートフォンだけでしか入力できないことに気づいたのが2回目の躓き。住所、氏名、生年月日と入力したら拒否され、生年月日の入力は文字入力じゃなくスクロールで入力と気付くまでに何回も同じことを繰り返したのが3回目の躓きでした。やっとのことで予約場所を選ぶページに辿り着くと、岸和田市内にないので近隣の市町村のページを探索して、一番早く予約の取れたのが和泉市立総合医療センターでの3週間先の予約でした。毎日パソコンで仕事をしている自分でも躓きの連続で時間がかかり随分と先の予約しか取れなかったので、高齢者にはとてもじゃないけれど無理と感じ、先行きに嫌な予感がしました。

 高齢者のワクチン予約は集団接種が先行したのですが、Line予約と電話予約の2択では当然電話が選ばれ、電話が繋がらないというトラブルが続出しました。

 病院と診療所での個別接種でも問題山積でした。医療機関は3週間先の週の必要本数を事前にファックスで注文しなければいけません。配送されたワクチンは5日以内の使用期限で、使用できずに廃棄したら咎められるので、見込みで発注するわけにいかなかったのです。3週間先に何人予約してくれるか分からないので初めは少なめの発注にするか、受け持ち患者を医療機関の方で割り振りして人数を決めるかでした。内科診療所ではかかりつけ患者の順番を決めるのに年齢の高い順に患者を割り振りするところが多く、65歳以上でも若い方の人は後回しにされました。かかりつけというのも曲者でした。医療機関からは、持病があって毎月受診している患者がかかりつけ患者で、病気になったらいつも同じ医療機関にかかっていたとしても滅多に受診しない生来健康な人はかかりつけ扱いしてもらえませんでした。かかりつけ医療機関のない人は集団接種という流れなのですが、Line予約は無理で電話がなかなか繋がらないので集団接種の予約ができない人と、かかりつけ扱いして貰えても若い方の高齢者なので指定された予約日が先すぎて焦る人が続出しました。

 あぶみ小児科クリニックではインフルエンザワクチンの予約は毎年インターネットだけにしています。新型コロナ感染症対策に発熱患者は電話で隔離診察室に誘導しなければならないので、外からの予約の電話を受ける余裕がないので、新型コロナワクチンも電話ではなくネット予約をお願いしています。受診したことがある人なら予約カード番号と生年月日の入力だけなので簡単です。初診患者だと、名前、生年月日、電話番号、受付確認のためのメールアドレスの入力が必要でやや面倒です。スマホじゃないので無理と言われますが、携帯電話いわゆるガラケーからでも入力できます。どの診療でも毎日どの時間でも予約できるように予約の時間枠を用意することをモットーにしています。新型コロナワクチンでも、患者数が多くて受け入れに無理のある水曜と木曜の夕診以外の全診療時間帯で予約枠を用意していて、高齢者対策として水曜の午前と現役世代対策として金曜日と土曜朝に集中的に新型コロナワクチン接種をしています。初めは14日先まで今は20日先まで予約できるようにしていて、一見予約枠が無さそうでも、毎日0時には新しい予約枠が開くようになっています。予約さえ取ってもらえたら初めての人でも誰でもいつでも受け付けています。集団接種の予約ができない人と割り当てられた予約日が先過ぎて不満な人の受け皿になっています。高齢者から始まりましたが、基礎疾患のある人に対象が拡大され、対象年齢もどんどん引き下げられていきます。年明けくらいまでかかりそうな長丁場の新型コロナワクチンの個別接種を最後まで打ち続けることができる仕組みを用意しました。

 高齢者が小児科になんかに行こうなんて考えないから、あぶみ小児科クリニックは穴場だと、他の医療機関や保健センターから言われているようですが、ワクチンを接種するために特別に待合室と2つの診察室がある、予防接種所の別名のあるワクチンの専門医療機関です。穴場などと呼ばれるより、新型コロナワクチンの特等席と呼んでいただきたいものです。根気が良いのが強みですので、新型コロナウイルスワクチンを最後まで打ち続けます。

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