インフルエンザワクチンはいつ頃に接種するのがベストか

更新日:2020/07/15

毎年11月になり肌寒くなり、インフルエンザ患者発生のニュースが流れると、急にワクチン接種希望者が殺到し、予約が出来ない人が続出して、ワクチンを受けたくても受けられない人からどうにかならないのかと嘆かれて、その理由を問われます。毎年繰り返される光景です。

鶏の受精卵でウイルスを培養してインフルエンザワクチンを作るため、雌鶏が受精卵を産むペースは一定で、人気のピークに合わせて産む数を増やすことが出来ません。そのためワクチンの供給は一定のペースになります。10月の初めの頃は受けたい人が少ないので売れ残り、10月下旬から11月上旬に需要と供給が一致し、これを過ぎると在庫が一掃され、一定の供給量に対して需要が大きくなるのでワクチンが不足します。それでも12月になると、一定の供給量が続いているのに、受けたかった人たちが諦めて新たに受けたい人も減って、最後に売れ残ります。ある商品が売れ始めから人気のピークを迎え最後には売れ残るという経過でしかなく、インフルエンザワクチンを商品と考えれば他の商品の売れ行きの経過と大差ないことが理解されます。

医療機関がワクチンを受けたい人が増えるのに合わせて接種機会を増やすようにせよとも言われますが、正直、無理です。医療機関では診療が優先され、定期接種の方がインフルエンザワクチンよりも優先順位が高くて、インフルエンザワクチンばかりを接種している訳にはいきません。「柿が赤くなると小児科医も赤くなる」と言われ方の通りに、秋の深まりとともに外来患者が増える傾向があり、インフルエンザワクチン接種に回せる時間は、10月なら余裕があるのに、11月になり寒くなるほど少なくなっいきます。小児では2回接種の人も多く、11月に次回予約で2回目の予約をして帰られているので、そのせいもあって11月になると予約枠が減ってしまいます。

早めに受けたらインフルエンザシーズンの終わりの頃にワクチンの効果が切れてしまうから流行する少し前にワクチンを受けたいという意向を耳にします。ワクチンで免疫が付いているのなら接種の1年後でも前年のワクチンに対する抗体価は維持されているという研究結果があります。それなのに、ワクチン接種していてもシーズンの終りの頃になったらインフルエンザに罹ってしまう人の割合が増えるというデータも存在します。シーズン終わりにワクチンを接種したにも拘わらず残念ながらインフルエンザに罹ってしまう人よりも、流行が始まってから受けたために接種して2週間経ってワクチンの効果が期待される前にインフルエンザに罹ってしまう残念な人の方が多いように思われます。

インフレンザワクチンは夏の初めにその直前に世界で流行しているウイルス株を基にWHOが次のシーズンのワクチン株を決定し、その決定を参考にしてワクチンを作って秋に出荷します。翌年の春になるとそのシーズン向けのワクチンで免疫したつもりが、実は1年近く前に流行ったインフルエンザウイルスに対する免疫になってしまっているので、インフルエンザに罹りやすくなってしまうのです。シーズン途中でモデルチェンジがあるならワクチンを遅く打つということに意味があるのでしょうが、次の秋まで同じワクチンしかないので意味はありません。

そもそものインフルエンザワクチンの賞味期限が冬の終わり頃なのなら、10月の初めに受ければ賞味期限まで長い商品を買うようなものなのに、11月下旬や12月上旬に受けるということは賞味期限の短い商品を買うようなものなのです。どんどん入手困難になるだけで値下がりしたりもしません。

結論です。インフルエンザワクチンは、ワクチンが出荷される9月末から受けられますが、予約が取りやすくて受けやすく、確実に流行に間に合い、期待できる有効期間を長くできるので、早めに受けるほどお得です。

2018.11.17

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