新型コロナに罹りました

更新日:2021/09/20

前日は、やたらと眠くて腰痛がありました。2021年9月14日は、午後から寒気と頭痛がするので何回か体温測定して平熱でしたが、診療終了後に測定したら37.5度になりました。保健所から「医療関係者は発熱したら新型コロナの検査をするように」と聞かされていたので、自己採取の鼻咽頭拭い液でP C R検査をしたら陽性でした。念のため抗原定性検査もしたら、これも強陽性。2020年4月から新型コロナ患者の診察を始めた時から、この日が来るのを予想していましたが、動揺しました。保健所への患者発生届を書く時、届出医師と患者の名前が同じで、あぶみ小児科クリニックで患者から伝染と書くのは辛かったです。コロナ患者になると療養しかないので、職員に連絡して翌日からの休診と予約を入れている人への連絡と予約日時の変更を指示しました。保健所との検証では、全員が常時マスク着用しているのでスタッフの検査は不要、外来患者への感染の恐れは無しでした。

9月15日の午前が重症度のピークでした。体温39度、経皮酸素95で、腹痛と気道痛があり赤い痰で、保健所の所長からは自宅療養じゃなく、ホテル療養をすすめられました。15日の午後から高熱ではなくなり経皮酸素も良くなったので自宅療養を続けましたが、この日は一日中寝ていました。第4病日になっても午後の微熱と頭痛がありますが楽になってきました。

ワクチンを受けるまでの1年2か月間はN 95マスク、ゴーグル、手袋、ガウンと手洗いの標準感染防御法だけがコロナから身を守る術でした。この防御法だけで55人のコロナ患者を診断しました。5月15日に新型コロナワクチンの2回目の接種を済ませて2週間経つと、ワクチンによる予防の上乗せ効果を期待できるようになり、随分と安心したものです。標準感染防御法を少し緩和しました。6月から暑くなり、ゴーグルが曇るのでフェイスシールドに替え、必要性は低くて暑いガウンはやめました。しかし、その後の患者増が凄くて、3ヶ月弱で900人の疑い患者から153人の患者を診断することになりました。外来患者の半分がコロナ疑いになって、以前のようにコロナ疑い患者の時だけ感染防御法を取る訳に行かなくなり、看護師はN 95マスクとフェイスシールドをずっと着けるようになりました。N95マスクを一日中着けると頭痛がするのと、喋る時に顎を開閉するのに力が要るので顎関節症になってしまいました。それでコロナ疑い患者以外では普通の不織布マスクにしたので、不織布マスクとN 95マスクの着脱が頻回になりました。このマスクの着脱の際に感染したというのが、今回の感染の理由の第1の候補です。

あぶみ小児科クリニックでは新型コロナの検査の検体採取は、抗原定性検査でもP C R検査でも鼻咽拭い液と決めています。まるでインフルエンザの流行期のように多い日は1日30人近く検査するので、15分で結果判定できる抗原定性検査を採用しないと、結果判定に1時間を要するP C R検査だけでは捌ききれません。鼻腔の一番奥までスワブを挿入して一番ウイルス量の多い鼻咽頭拭い液を採取しますが、刺激でくしゃみを誘発して感染ミストを発生させる危険性があるので、採取者の感染リスクが一番高い方法です。でも、中途半端に鼻腔拭い液で検査するのではなく鼻咽頭拭い液で検査することで、P C R検査しか頭にない患者さんが多いけれども、抗原定性検査で高い検査陽性率を実現しています。先週の検体採取の際に強烈なくしゃみをする人がいたので、この時に感染したというのが、今回の感染の理由の第2の候補です。

9月17日の日経新聞の記事に、ファイザーのワクチンの感染予防効果は、デルタ型のウイルスでは、2回目接種後の4か月で当初の53%に下がるとありました。これが、今回の感染の理由の第3の候補で、誰にも起こる事なので一番重要です。5月15日に2回目をすませたので、9月14日は丁度4か月です。第5波のコロナ患者診療で8月にあったピーク時にはまだ感染予防効果があったのが、ここにきて効果が下がったためにコロナに罹ってしまったのでしょう。

実際に測ったら熱は無いけれど、ひょっとしたらコロナに罹ったかもと思わせるような熱感や腰痛・頭痛や軽い息苦しさなどは、これまでにも何度かありました。これだけ沢山の患者を診ているのだからワクチンで守られながら、コロナに罹っても発症以前の軽いレベルに留まって、少しずつワクチンでの免疫にブースター効果が働いて免疫が維持されて、自分は新型コロナに罹らないという甘い期待は見事に砕かれました。

ファイザーのワクチンの感染予防効果がデルタ型のウイルスでは2回目接種後の4か月で当初の53%に下がるというのなら、6月から7月にワクチンを受けた高齢者は10月中旬以降に4か月が過ぎ、感染予防効果が半減してしまいます。現在の第5波はおそらく10月には終息するでしょうが、直ぐに第6波が来るでしょう。第5波では高齢患者は少なかったのですが、第6波ではワクチン効果で重症化は少ないながらも、再び高齢者の患者が増えるのではないかと予想しています。

コロナ患者を診ている医師がコロナに罹るなんて間抜けな話です。どうせ、感染防御法を遵守しきれていなかったのだろうと批判されたら、否定しません。コロナ患者を沢山診過ぎました。そして診断のクオリティーを上げるために少し無理をしました。コーナーを攻めすぎたレーサーが事故に遭ったような、これまで大丈夫だったから自分は弾に当たらないだろうと突撃を繰り返していた兵士がとうとう弾に当たったような感じです。

自分が何故コロナに罹ってしまったかを検討して記録しておけば、人の役に立つこともあるかと思い、恥を忍んでここに書きました。

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