ラゲブリオと掛けて、大きなブリ(鰤)用の薬と解く。その心は?

更新日:2022/02/07


以前のコラム「インフルエンザがイワシなら、新型コロナは何?」では、迅速検査を釣りに、感染症を魚貝類に例え、新型コロナは釣れても毒があるので料理できない魚なのでフグ(河豚)と呼んでいました。第6波でオミクロン型に替わってから新型コロナがフグではなくなりました。

新型コロナは時々遭遇する感染症から、インフルエンザのように大流行して外来患者の大半を占める感染症に変わったので、漁獲量の多いメジャーな魚です。

以前は診療所の外来では捌けず(治療できず)、軽症は市場(保健所)に流し、重症は専門店(病院)に送っていました。2021年12月25日に特例承認された経口薬モルヌピラビル(商品名ラゲブリオ)が診療所の外来で使えるようになりました。普通に家庭で料理できる魚です。

保健所から電話連絡してケアする対象は、東京都では50歳以上、大阪府では40歳以上か基礎疾患があり重症化リスクのある人だけになりました。年齢によって階層化されるというのは、年齢と大きさで呼び名の変わる出世魚です。

あぶみ小児科クリニックではワクチンを養殖に例えていますが、人口の過半がワクチン接種を済ませている新型コロナは、天然物(ワクチン未接種者)よりも養殖物(ワクチン既接種者)がメインの魚です。

ということで、今年から新型コロナはブリ(鰤)になりました。漁獲量が多くて、美味しくて人気があって、天然物よりも養殖物が多く流通している出世魚といえばブリです。

ワクチンの2回接種率が全人口の80%以上になったので診断される(釣り上がる)のはワクチン既接種者(養殖物)が大半です。重症化リスクのある高齢のブリまでいかないモジャコ(10才未満)ハマチ(10才以上30才未満)やメジロ(30才以上40才未満)は釣り上げても(診断されても)放流(自宅療養、保健所からの電話なし)です。ブリよりもハマチの方が多く釣れるのも一致しています。

新薬のラゲブリオは名前の覚えにくい薬です。製造販売のM S Dの担当者にラゲブリオの名称の由来を尋ねると、コンプライアンス上答えられないと言われて困りました。

Lagevrio (ラゲブリオ)

Large Buri Yo

大物のブリ用

高齢者または重症化リスクのある新型コロナ患者のための内服薬

新型コロナ=ブリの連想で、もう忘れることはありません。

あぶみ小児科クリニックには7つの診察室があります。患者数が多すぎて、遂に発熱外来の診察室を5つにしました。電話連絡して裏口から患者を待合なしで診察室に誘導し、院内トリアージして院内感染を防ぎながら、できるだけ多数の新型コロナウイルス感染症を診ています。

2020年4月に「新型コロナを診るために」と保健所に届け出て、10年ぶりに内科標榜を復活させました。届出通り、赤ちゃんから高齢者まで新型コロナ患者ばかりを診ていて、まるでコロナ屋さんです。

8時から23時まで休みなしの仕事は正直しんどいですが、おそらく医師人生最後にして最大の活躍場面でしょう。これ以上の激務は死ぬまで無いものと覚悟して、喜び勇んで診療に明け暮れています。

「入れ食いだってね。何が釣れているの?」

「今はブリだね。養殖でも忙しいんだ」

鰤王の名前の日本一の養殖鰤のブランドがありました。
https://www.azuma.or.jp/burioh/

鰤王
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