「お待たせしました」から「お待ちしておりました」へ

更新日:2023/05/29

2020年に新型コロナが流行してすぐ、当院は既存患者に限らず全ての新型コロナ疑い患者を受け入れるA区分の発熱外来の契約を大阪府と交わしました。2021年まで岸和田市のA区分の医療機関は4つだけでした。2022年になって爆発的に患者が増えると限られた医療機関に患者が殺到して死ぬほど忙しくなりました。当院の発熱外来では5つの診察室に待合なしで直接入室させ、半分が新規患者でカルテ作りから、問診、診察、検査、結果説明、コロナ陽性なら自宅療養や濃厚接触者の説明と発生届の作成、コロナ薬を処方するなら説明と同意書の取得、処方、会計、患者退室後に1室ずつ換気と消毒という流れで対応してきました。手間と時間がかかるので、時間当たり12人の診療枠を10人に減らしました。コロナ患者の割合が少ないうちは問題なかったのですが、流行の波の最盛期には大半の患者が裏口から入るコロナ疑い患者になり、7つの診察室の6つに同時に入室して待つので部屋に入ってから30分程度は待つことになり不満が出ました。表玄関から入った他の病気や健診・ワクチンの人からは、裏口からの発熱外来の混雑が見えず、人のいない広い待合室で1時間以上待たせて不満が出ました。診療時間外でなく診療時間内でコロナを診たのでコロナ以外の患者には迷惑をかけました。かかりつけの患者は理解してくれましたが、一部の患者からは酷評されました。大阪府と契約してコロナを全力で診ると決めた結果なので、それに伴う酷評・悪評は甘受するしかありません。

2023年5月8日に新型コロナの扱いが2類から5類に格下げされて、大阪府との発熱外来の契約は解除されました。コロナを診られる限られた医療機関だったので、これまでは11時半、19時までの診療時間内に予約または来院された患者なら無理して診療時間を延長して診てきました。患者発生届を送り終えたら0時半という過労死レベルも経験しました。これを機に予約システムの運営方法を変更します。予約枠を1時間10人から更に8人にまで減らします。同じ時間枠で診察、ワクチン、健診のどれも予約できるので直前に予約されて予約が重なることがあったのを、前日までは予約が重ならないように抑えて当日のワクチン健診の予約は停止することで、予約の重複を防ぐようにします。予約枠の時間延長は朝なら午後、午後なら夜、夜なら翌日と、次のシフトの予約枠が一杯にならない限り延長しないことにします。次の診療時間枠まで予約が埋まって予約取りが不可能になれば直近の診療時間を延長します。

近隣の他の小児科は直近の診療枠に限定して診察可能人数を限度にネットで順番取りする予約システムなので、予約可能時間になったらネット予約が殺到してすぐに予約が取れなくなるようです。そもそも順番取り予約と時間指定予約では予約のレベルが違います。順番取り予約では、従来なら来院して順番を取って待合室で診察を待っていたのを自宅にてネットで順番を取ります。自宅で待って、そろそろ時間ですという通知を受けて家を出て医療機関に着いたら、前に並んでいる患者の列に並んで30分程待って診察にありつきます。予約番号が小さければ待ち時間は少ないのですが、予約番号が大きければ午前の予約なら午前全部が他の要件に使えなくなります。

当院は時間指定の予約なので、既存患者でカルテがあるなら予約時間の少し前に来院すれば、それほど待たずに診察になります。直近の診療枠だけでなく、2週間先まで空いていればどの時間でも予約できます。診療所では順番取りが主流ですが、慢性患者の次回受診が主になる病院では時間指定予約が主流です。時間指定といっても患者の流れ次第で待たされることはあります。順番取り予約での患者との約束は順番に診ることだけなので少々待たせても医療機関側の心理的負荷は少ないのですが、時間指定予約ではその時間に診るという約束になり遅れると激怒されることがあり医療機関側の心理的負荷は大きくなります。患者からのクレームに耐えかねて時間指定予約を順番取り予約に変更した病院の話を聞いたことがありますが、患者は文句も言わず数時間でも待っているそうです。

コロナ前に和泉市や貝塚市から来る患者にどうして近くの病院じゃなくわざわざうちに来るのかと訊くと、来院までの時間をかけても結局うちの方が早く済むからと言われました。あぶみ小児科クリニックのアドバンテージは感染予防の院内トリアージ、早くて網羅的な検査、予約の3つです。前の2つを極めたのが新型コロナとの戦いの3年間でした。この3年間おろそかにしていた予約力をここから復活させます。予約システムの運営方法の変更によって、これからは予約指定時間または次の15分には診られるはずです。

予約の時間に遅れて来られると次に響いて遅れが生じますのでそこはお願いします。予約していてキャンセルも来院もないのが一番困ります。順番取り予約なら院内で待つ列の人数が減るだけで済みますが、時間指定予約では医療機関の機会損失です。これを兄弟の複数人の予約でされると最悪です。レストランや旅行の予約では前日でもキャンセル料を請求されます。ネットで予約できた人ならネットでキャンセルもできるので、予約のキャンセルは当日の予約時間枠内でなく、前日か診療時間の始まる前にしてください。予約キャンセルなし及び診療開始後の遅いキャンセル2回で診察券の予約番号を抹消します。

時間当たりの予約患者数を減らして時間延長の診療を減らしますので診られる患者数が減りますので、早めの予約をお願いします。

これまではいつも「お待たせしました」と言っていました。今後はこちらが待つことになります。

「お待ちしておりました」

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