医師に4種あり 私は職人

更新日:2023/04/09

医師には、サラリーマン、研究者、職人、商人の4種類があると思います。

雇われることから社会人生活が始まるのは他と同じで、医師も初めは全員サラリーマンでした。キャリアを重ねてスキルを上げ、所属する組織に馴染まなければいけません。出世を目指しても良いけれど、解雇されない事の方が大事です。

珍しい病気を診断したり、新しい治療法を試したり、研究志向が強い医師は研究者です。学会発表と論文数が多くて、博士号を持っている人が多いです。研究をするには予算があり症例が豊富でないと難しいので、大きな病院、中でも大学病院に多くいます。大半は勤務医ですが、開業医にも時々います。

仕事はきちんをしないと気が済まない、診療レベルが下がることが大嫌いなのが職人です。手術や入院診療など病院での医療が主な診療科の職人タイプの医師は勤務医を続けます。開業医でも診療のクオリティにこだわるのは職人です。保険医の仕事は国と契約した請負仕事です。請負った仕事を元請けの期待レベル以上でやろうとする保険医は職人です。

仕事は続けなければならず、そのために利益を上げることを重視するのが商人です。企業組織のトップに立てば、企業の存続の責任はトップが負うので商人にならざるを得なくなります。開業医、勤務医でも病院長は組織の長なので利益を無視できない商人になります。

私はどのタイプかと言えば、どれも通過しました。大学院生の頃は研究者を目指していました。勤務医に戻りましたが上司と衝突を繰り返してサラリーマンを諦めて開業しました。経営を軌道に乗せることが最優先だった頃は商人でしたが、今は職人だと思っています。保険診療のルールを守った標準治療のコストパフォーマンスが一番高いので、標準治療を心がけている職人です。

臍ヘルニアの圧迫材を作っている時とか、コストを請求できないけれど損切りでR Sやノロウイルスの迅速検査をする時とかに職人だと感じます。

岸和田市では何本のワクチンを同時に接種しても、市から支払われるお金はワクチンの原価と1回の診察代だけです。商人タイプの医師ならそこまで同時接種せず分割して接種して接種回数を増やして売り上げアップを狙うでしょう。私は、できるだけ早期に感染症に対する免疫ができるように、その時に受けられるワクチンは全部同時に接種することにしています。儲けを優先するなんて小児科医としてのプライドが許せないので、ワクチン職人です。職人なので、ちょっと違うなと思われるような診療を他の医師がしていると気になって仕方がないです。 日本人は職人、中国人は商人と言われています。日本人なので、歳を取るにつれて職人気質が強くなる今日この頃です。

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