小児喘息の原因とは?適切な治療法までを【小児科医】が徹底解説
更新日:2026/05/25
小児喘息とは

小児喘息とは、空気の通り道である気管支が敏感になって、咳が出やすくなったり、呼吸が苦しくなったりする病気です。
息をするときに「ゼイゼイ」「ヒューヒュー」と音がすることがあります。
お子さまの咳が続くと、「風邪が長引いているのかな」と感じる保護者の方も多いと思います。
しかし、風邪をきっかけに咳が続き、診察してみると喘息が関係していたということもあります。
そのため、「咳がずっと出る、風邪をひくたびに呼吸が苦しい」などの症状があるときは、早めに当院へご相談ください。
小児喘息の原因

小児喘息は、風邪やアレルギー、生活環境などが関係して症状が出ることがあります。
風邪をひいたあとに咳が長引くお子さまもいれば、ダニやハウスダストなどのアレルギーが関係して症状が出やすくなるお子さまもいます。
「風邪だと思っていたけれど、咳だけなかなか治らない」「季節の変わり目になるとゼイゼイしやすい」など、きっかけはお子さまによってさまざまです。
遺伝による影響
小児喘息は、家族に喘息やアレルギー体質の方がいると、発症しやすくなることがあります。
たとえば、保護者の方に喘息やアレルギー性鼻炎などがある場合、お子さまも喘息になることがあります。
ただ、家族に喘息の方がいる場合でも、お子さまの咳の出方や生活環境によって症状の出方は変わります。
大切なのは、咳の出方や呼吸の様子を見ながら、適切な対処法をみつけることです。
アレルゲンによる影響
小児喘息では、アレルゲンが気管支を刺激して、咳が出ることがあります。
アレルゲンとは、体が反応しやすい原因になる物質のことです。
特にお子さまは、部屋のほこりや季節ごとの花粉など、毎日の生活の中にあるものがきっかけになることもあるので注意しましょう。
ダニ
ダニは、小児喘息を引き起こしやすいアレルゲンのひとつです。
布団や枕、ぬいぐるみなどについていることが多く、寝ている間や朝起きたときに咳が出やすいお子さまもいます。
花粉
花粉の時期になると、咳や鼻水、鼻づまりがひどくなるお子さまもいらっしゃいます。
花粉は鼻だけでなく気管支にも刺激となることがあり、喘息の症状が出やすくなることがあります。
ハウスダスト
ハウスダストには、ほこりやダニの死骸、繊維くずなどが含まれています。
部屋の掃除をしたあとや、布団を動かしたあとに咳が出る場合、ハウスダストが刺激になっていることがあります。
お子さまが長く過ごす寝室やリビングは、できる範囲で清潔に保ちましょう。
ペットの毛
犬や猫などのペットの毛が喘息の症状に関係することもあります。
「ペットと一緒に過ごしたあとに咳が増える、鼻水も出る」といった様子がある場合は、ペットの毛やフケなどが関係していることもあります。
カビ
カビも、喘息を悪化させる原因になることがあります。
浴室や窓まわり、加湿器などはカビが発生しやすい場所です。
梅雨の時期や湿気が多い季節に咳が増える場合は、室内の湿度やカビの状態を見直してみることが大切です。
アトピーの体質
アトピー性皮膚炎があるお子さまは、アレルギー体質を持っていることがあり、喘息やアレルギー性鼻炎と関係することがあります。
皮膚の症状と咳は別のものに見えるかもしれませんが、どちらもアレルギーが関わっていることがあります。
湿疹が出やすい、風邪をひくと咳が長引くといった様子がある場合は、お子さまの体質が関係しているかもしれません。
ストレス
小児喘息は、ストレスがきっかけで症状が出やすくなることもあります。
たとえば、入園や入学、疲れ、睡眠不足などが重なると、咳が増えたり息苦しさを感じやすくなったりするお子さまもいます。
お子さま自身がうまく言葉にできないこともあるため、「最近疲れていないかな」「眠れているかな」と様子を見てみてください。
感染症
風邪などの感染症をきっかけに、喘息の症状が出ることがあります。
小児喘息では、「熱や鼻水は落ち着いたのに咳だけ続いている」「風邪をひくたびにゼイゼイする」という相談もよくあります。
風邪だと思って様子を見ていても、喘息が関係していることがありますので、咳が続くときは早めに受診することをおすすめします。
小児喘息の症状

小児喘息では、咳が続いたり、呼吸をするときに音がしたり、苦しそうに見えることがあります。
ただ、はじめから「これは喘息かも」と気づくことは難しいです。
そのため、小児喘息の症状を理解した上で、病院で診てもらうと安心です。
咳や痰(たん)が出る
小児喘息では、咳が長く続くことがあります。
また、痰が絡んだような咳が出ることもあり、寝ている途中に咳で起きてしまうお子さまもいます。
何日も咳が続いていると、保護者の方も「このまま様子を見て大丈夫かな」と不安になりますよね。
咳が長引くときは、喘息が関係していることもあるため、小児科への受診をご検討ください。
息をするときにゼイゼイ・ヒューヒューという音がする
喘息では、気管支が狭くなることで、息をするときにゼイゼイ・ヒューヒューとした音が聞こえることがあります。
風邪をひいたときや運動したあとなどに音が出やすいお子さまもいます。
お子さま本人は症状をうまく伝えられず、機嫌が悪い、横になりたがらないといった様子で表れることもあります。
息をするのが苦しくなる
小児喘息の症状が強くなると、息をするのが苦しくなることがあります。
肩を上下に動かして呼吸している、話すのがつらそうに見えるときは注意が必要です。
咳や呼吸の音だけでなく、お子さまの表情や動きなどを含めて見てあげましょう。
小児喘息の検査と診断

小児喘息の診断では、咳の出方や呼吸の音、症状が出やすい時間帯などを丁寧に確認します。
特に、夜や明け方に咳が出る、風邪をひいたあとに咳だけ長引く、運動後にゼイゼイ・ヒューヒューしやすいといった様子などあれば遠慮なくお話しください。
診察では、胸の音を聞き、呼吸の状態を確認します。
必要に応じて、アレルギーを調べる検査や、気管支の状態を確認する検査を行うこともあります。
受診の際は、「いつから咳が出ているか」「夜に咳で起きることがあるか」「風邪のたびにゼイゼイ・ヒューヒューするか」「家族に喘息やアレルギーがあるか」などを伝えていただくと、診察の参考になります。
小児喘息の治療法

小児喘息の治療では、今出ている発作を落ち着かせることと、発作が起こりにくい状態を目指していきます。
「咳やゼイゼイ・ヒューヒューが出たときだけ薬を使えばよい」と思われる方もいますが、喘息は気管支の中で炎症が続いていることがあります。
そのため、症状が落ち着いている時期にも、お子さまの状態に合わせて薬を使いながら気管支を守る治療を行っていきます。
薬には、毎日の管理に使うものと、発作が出たときに使うものがあります。
どの薬を使うかは、年齢や症状の強さ、発作の起こりやすさを見ながらご提案します。
気道の炎症を抑える薬を使用
小児喘息では、気管支の炎症を抑える薬を使います。
炎症が続いていると、少しの刺激でも咳が出たり、呼吸が苦しくなったりしやすくなります。
このタイプの薬は、発作が出たときだけではなく、毎日の管理として使うことが多いです。
そのため、「咳が落ち着いたからもう大丈夫」とやめてしまうと、また症状が出やすくなることがあります。
また、飲み薬だけでなく、吸入薬として使う薬もあります。
吸入薬は、薬を気管支に届けるための治療になります。
小さなお子さまの場合、吸入のやり方がうまくできているかも大切なので、使い方まで一緒に確認していきます。
フルタイド
フルタイドは、気道の炎症を抑えるために使われる吸入薬で、喘息の症状が出にくい状態を目指していきます。
そのため、お子さまの症状が落ち着いて見えても、しっかりと決められた使い方を守ってください。
吸入後は、口の中に薬が残らないようにうがいをすることがあります。
パルミコート
パルミコートも、気道の炎症を抑えるために使われる薬です。
吸入器やネブライザーを使って吸入することがあり、年齢や吸入のしやすさに合わせて使い方を考えていきます。
小さなお子さまの場合、吸入そのものを嫌がることもありますので、無理なく続けられる方法を一緒に確認していきます。
アドエア
アドエアは、気道の炎症を抑える成分と、気管支を広げる成分が入った吸入薬です。
喘息の状態によって、炎症を抑える治療だけでは症状が安定しにくいときに使用することが多いです。
どの年齢で使うか、どのくらい続けるかは、お子さまの症状を見ながら判断します。
大切なのは「何のために使う薬なのか」を知っておくことですので、気になることがあれば気軽にご質問ください。
小児喘息の発作を抑える薬を使用
喘息の発作が出たときには、狭くなった気管支を広げる薬を使うことがあります。
咳が強いときや、ゼイゼイ・ヒューヒューとした呼吸があるときに使う薬です。
症状を落ち着かせるために大切ですが、使う回数が増えているときは注意が必要です。
発作を繰り返しているサインの場合もあるので、症状が強くなったときは、早めに受診してください。
メプチン
メプチンは、発作時に気管支を広げる目的で使用する薬です。
咳が強いときや、呼吸が苦しそうなときに使うことが多いです。
吸入薬や貼り薬など、使い方はいくつかありますが、お子さまの年齢や症状に合わせて選びます。
ベネトリン
ベネトリンは、発作時に狭くなった気管支を広げるために使う薬です。
ネブライザーを使って吸入することがあり、ゼイゼイ・ヒューヒューする呼吸や息苦しさがあるときに使われることがあります。
吸入後に呼吸が楽になることもありますが、使い方や回数はしっかり守りましょう。
サルタノール
サルタノールも、発作時に気管支を広げるために使う吸入薬です。
持ち運びがしやすい吸入薬として使われることも多く、発作が起きたときの対応として処方することもあります。
お子さまが正しく吸入できるように、補助器具を使うこともあります。
小児喘息の症状を悪化させないためには

咳やゼイゼイ・ヒューヒューが落ち着いている時期でも、気管支の中では刺激に反応しやすい状態が続いていることがありますので、普段の生活から気をつけることが大切です。
「最近は咳が出ていないから大丈夫かな」と感じることもあると思いますが、薬の使い方や生活環境を整えておきましょう。
医師の指示に従って薬を使用する
小児喘息の薬は、発作が出たときに使う薬や気道の炎症を抑えるために、毎日続けて使う薬があります。
自己判断で薬を減らしたり中止したりすると、また咳が出やすくなったり、風邪をきっかけにゼイゼイ・ヒューヒューしやすくなったりすることがあります。
そのため、決められた使い方を守って使用してください。
薬の量や使う期間は、お子さまの症状や発作の出方を見ながら調整していきますので、不安なことがあるときは、薬をやめる前にご相談ください。
小児喘息を予防するための環境を整える
小児喘息では、毎日の生活環境を整えることも大切です。
ダニやハウスダスト、カビなどは、喘息の症状を悪化させるきっかけになることがあります。
そのため、布団や枕をきれいにする、カーペットにほこりがたまらないようにするなど、できることから始めていきましょう。
また、カビが出やすい浴室や窓まわり、加湿器の中も普段から掃除することが大切です。
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「お子さまの咳が長引いている、夜になると咳き込む、風邪をひくたびにゼイゼイ・ヒューヒューしやすい」などの症状があると、保護者の方も不安になりますよね。
ただの風邪ではなく、アトピーやダニなどが原因の小児喘息の可能性もあります。
そのため、「風邪だと思っていたけれど咳だけ続いている」「夜中に咳で起きてしまう」など気になることがあれば、当院へご相談ください。
お子さまの咳の出方や生活環境などを確認しながら、症状に合わせた治療を行っていますのでご安心ください。
WEB予約も受け付けておりますので、お子さまの喘息が心配な方はお気軽にご利用ください。





