僕のアンチエイジング(4)腸活の敵
更新日:2026/10/04
アンチエイジングで1番に取り組むべき事は何かといえば、腸活です。腸活で整えるべき腸内フローラとは細菌で構成される微生物叢という意味です。フローラ(細菌叢)とは、ある地域(公園など)の植物全体の顔ぶれ・種類という植物相という言葉が語源です。多様な腸内細菌が、まるで植物相のようなので、これに例えて使われるようになった用語です。雑草のような悪玉菌を減らして役に立つ善玉菌を増やすことが腸活です。腸活というと何を摂るかに関心が集まりがちですが、何を摂らないかという事の方が大切です。腸活の阻害因子、すなわち腸活の敵をリストアップしていきます。
1.過度なダイエット: 植物を枯らさないために必要なだけ水と栄養をやるように、腸内細菌には絶えず餌になる食物繊維とオリゴ糖などの糖質を与え続ける必要があります。植物によっては水や栄養をやり過ぎると良くないように、腸内細菌にも適度な空腹は必要です。でも、絶食療法中でもだし汁や野菜スープを必ず摂るように、必要最低限の食物繊維を毎日摂らないと腸内細菌は減り、一度減ると回復に時間がかかります。過度で下手なダイエットは腸活の敵です。
2.抗生物質: 人間の体では鼻腔、口、腸、皮膚、陰部などが細菌で満たされていて、健康ならその人に適した細菌が棲みついています。体調が悪く免疫が落ちていたりすると、病原菌の侵入を許したり、常在菌でも本来いるべき部位じゃないところで増えると感染症を起こします。細菌感染症の治療では抗生物質で病原菌を殺します。これで救われることが多いのですが、病原菌だけを殺すことはできないので、抗生物質は大事な仲間の善玉菌も殺します。これで腸内細菌叢の多様性が一気に損なわれるのが大問題です。患者説明では抗生物質を除草剤みたいな物と説明することが多いです。腸活的には抗生物質は避けたいのですが、使わざるを得ない時は、使用後は腸活に励んで腸内細菌叢の復活を目指すしかありません。
3.鎮痛剤と制酸剤: 非ステロイド系抗炎症剤・鎮痛剤(N S A I Ds)は解熱剤・鎮痛剤として非常によく使われていますが、N S A I Dsが急性胃炎の原因の3分の1であるように、胃粘膜を損ないますが、小腸と大腸の粘膜バリアも破壊します。プロトンポンプ阻害剤やその他の制酸剤は胃酸の分泌を抑えることで胃酸による胃粘膜の傷害を抑えますが、胃での殺菌作用が損なわれ悪玉菌の侵入を許し、小腸から大腸へと下るにつれて酸性が下がる酸勾配が損なわれて、大腸にいるべき腸内細菌が小腸で繁殖して腸管バリアを破壊します。これらの薬剤は必要最小限の短期間の使用にとどめ常用せず、可能なら他の薬剤への変更が望ましいです。
4.食品添加物: 賞味期限の長い加工食品には必ず食品が腐らないように保存料が使われています。ソルビン酸、安息香酸、デヒドロ酢酸、パラオキシ安息香酸などの人工保存料は細菌の増殖を防いで食品が腐らなくするのですが、腸内細菌の増殖も抑えるので腸活の敵です。アスパルテーム、スクラロース、アセスルファムカリウムなどの人工甘味料は消化されずに腸に届き腸内細菌のバランスを壊すので腸活の敵です。
5.加工食品: 超加工食品と呼ばれる食品(カップ麺などのインスタント食品、スナック菓子、菓子パン、グミ、ゼリー、清涼飲料水、炭酸飲料、ハム・ソーセージ・ベーコンなどの加工肉、大量生産された包装パンや冷凍ピザなど)を筆頭に、コンビニ弁当・おにぎり、菓子パン、お菓子、漬けもの、かまぼこ・ちくわなどの練製品、明太子・たらこなどの加工食品には保存料や人工甘味料だけでなく多種類の添加物が使われています。全て、腸内細菌のバランスを壊すので腸活の敵です。買い物をするなら、スーパーマーケット・コンビニなら外側通路の生鮮食品・冷蔵食品を買って、中央部分の加工食品はできるだけ買わないように心がけます。加工食品を選ぶのなら予め設定された賞味期限の短いものを選べば食味が良くて腸活に優しいです。加工食品を買う大きな理由は食品の保存性ですが、長期保存するために腐りやすい食品を発酵させたのが発酵食品なので、買い置きに加工食品を買うのなら、発酵食品に置き換えれば良いのです。
6.甘い飲食物: 腸活で増やすべきは善玉菌なのに、間違って悪玉菌の好物を食べ続けると悪玉菌が増えて善玉菌が減って腸活は失敗します。悪玉菌の好物は甘いものです。砂糖、果糖、ブドウ糖などの単純糖質(単糖)は腸活の敵です。甘い飲み物、お菓子、菓子パン、甘い果物などです。果物は食物繊維が豊富なので菓子類よりはましですが、甘い果物は果糖が多いので悪玉菌が増えやすいので要注意です。ベリー類などの甘みの弱い果物を選ぶべきです。
7.精製された澱粉質食品: 白米、パン、うどん、パスタなどは澱粉なので、口にしてもさほど甘くないですが、胃腸で消化されて小腸以下で単糖になって吸収されます。最後は単糖になるので、腸では甘い飲食物と変わらず、悪玉菌を増やすので腸活の敵です。カロリーを確保するのに野菜ばかりじゃ効率が悪いので、澱粉質の炭水化物を取らざるを得ないです。そこで、玄米、雑穀米、蕎麦、全粒粉パンのような精製されていないブラウンな糖質を摂れば、食物繊維が残っているので、善玉菌を増やす方向に働いて腸活になります。ブラウンな糖質ばかりでは消化吸収しにくいので、ホワイト(精製された澱粉質食品)半分ブラウン半分がベストです。
8.肉・魚・豆類: 蛋白源といえば、この3つになりますが、これらの食品は善玉菌より悪玉菌が好むので、摂り過ぎると腸内細菌叢は悪玉菌優位になって腸活を失敗します。必要な蛋白質源として選ぶなら、善玉菌が好きなのは食物繊維の多い豆類が1番で、魚がその次、肉が最後になります。発酵食品だと腸活になるので、豆類なら納豆・味噌、乳製品ならヨーグルト・チーズを蛋白源にするのは理にかなっています。
9.レクチン含有食品: 腸活では動物性より植物性の食品を多く摂ることになりますが、知らずに摂ってしまう植物毒についてコメントしておきます。レクチンとは植物が昆虫などから植物が食べられるのを防ぐために作る「粘着性のある蛋白質」の一種です。人間にはレクチンを処理できる腸内細菌や消化酵素が無いので、レクチンが腸の細胞に結合して炎症を誘発し腸内環境を悪化して、腸内細菌叢を荒廃させます。レクチンを多く含む食品は、豆類(大豆、赤インゲン豆、白インゲン豆、ピーナッツなど)、穀物(玄米、全粒粉のパン、パスタ、蕎麦、トウモロコシなど)、ナス科の野菜(トマト、ナス、ジャガイモ、ピーマンなど)です。レクチンは十分に加熱調理したり、発酵させたりすることで不活性化(無毒化)できます。乾燥豆はしっかり水に浸して、沸騰水で十分に煮沸することが大切です。大豆製品では納豆が加熱と発酵を済ませているので一番安全です。玄米や全粒粉パンなどブラウンな炭水化物は加熱して食べるので大丈夫そうですが、ブラウンなものは半分くらいにして食べ過ぎないことです。ナス科野菜は熱で調理して食べるのが良いのですが、生のトマトや水茄子の漬物は食べ過ぎないようにします。レクチンは感受性の高い人とそうでない人があるようです。腸活が達成されていれば、分厚い丈夫な腸粘膜なのでレクチンに耐性ができます。腸管の透過性が亢進しているリーキーガット症候群やアレルギー体質、自己免疫疾患の人、腸活の初期段階の人ではレクチン含有食品を加熱して少量摂取にしていても症状が出やすいので要注意です。
10.感染性胃腸炎: 食中毒やノロウイルス胃腸炎など感染性の胃腸炎に罹ると、病原微生物に腸管が荒らされて、粘膜が傷つき腸内細菌叢はバランスを崩します。嘔吐が強い時期は経口補水液でやり過ごし、少しでも食べられるようになったら、胃腸炎の治療は食べて治すのが主流です。点滴して絶食にしたら、腸粘膜の治りが遅れ、腸内環境の回復も遅れます。野菜スープとお粥から食べ始めていきます。胃腸炎で病原微生物に荒らされて、腸内細菌叢は細菌数が減りバランスも崩れます。火災後の公園の復旧みたいなものですが、ピンチをチャンスに変えられます。胃腸炎の回復期に腸活を意識して食事内容を整えれば、腸内細菌叢を病気以前よりも善玉菌優位に復活できます。胃腸炎を早く治したいから抗生物質を希望されたりしますが、ただでさえ荒廃した腸内細菌叢の生き残った菌に追い討ちをかけることになるので、抗生物質ではなく腸活です。





