僕のアンチエイジング(6)体の糖化を防ぐ
更新日:2026/10/18
近年、老化の元凶の1つとして考えられるようになったのが「糖化」です。
糖化とは、体内で過剰になった糖が蛋白質にくっつく現象のことです。糖が蛋白質にくっつき、体温で加温され「糖化反応」が起こると、蛋白質に糖がコブのようについた状態になります。糖の濃度が高い状態が長期間続くと、AGEs(終末糖化産物:Advanced Glycation End Products)という悪玉物質になります。
体内の組織の構成成分の蛋白質が糖化されAGEsになると、動脈硬化、糖尿病、骨粗鬆症、アルツハイマー型認知症、白内障、肌の老化・トラブルなどが進行します。
体が機能するのは、様々な酵素が働いているからなのですが、酵素も蛋白質なので機能成分である酵素が糖化でAGEsになると様々な体調不良を引き起こします。酸化を抑える抗酸化酵素が糖化することで、酸化のスピードが加速してしまいます。代謝酵素の糖化で機能低下して疲れやすくなります。
細胞を構成する蛋白質は、能動的に合成と分解を繰り返していて、細胞の中の余計なものを細胞自体が取り除く掃除機のような役割がオートファジーです。しかし、オートファジーを支える酵素がAGEsによって機能停止してしまうと、せっかく備わっている蛋白質の修復システムも働かなくなってしまいます。
糖尿病ではない人でも、血糖値が高くなるほど見た目の年齢が高くなるというオランダで行われた研究報告もあります。
糖化防止はアンチエイジングの要です。
前回は私が高血圧でもないのに血管のケアをしているというお話でしたが、今回は老化防止のために糖尿病でもないのに糖化防止の対策をしているというお話になります。
1.ベジタブルファースト&カーボラストで血糖の急上昇を抑えて糖化を防ぐ
私はご飯を最後に食べることにしています。食事を始めて10分以上経ってから自分でお茶碗にご飯をよそっています。満腹感が高まっているのでご飯のとりすぎも抑えられます。食事はゆっくり食べます。早食いをすると、糖が小腸から急速に吸収されるため、食後の血糖値が急上昇し、AGEs化が促進されるからです。腸活をしているので食物繊維の豊富な野菜やキノコ類、海藻類をとることで、糖の吸収スピードを緩やかにしています。
AGEsの量は、「血糖値の高さ」と「その持続時間」の掛け算で決まります。血糖値が急上昇したり、血糖値が高い状態が続いたりしているときに、まさに糖と蛋白質が反応してAGEsが作られます。その持続時間が長いほど、AGEsは全身に蓄積していきます 。
血糖値の上昇をゆるやかにする食べ方としてよく知られているのが、野菜を食事の最初に食べる「ベジファースト(ベジタブルファースト)」です。野菜に含まれる食物繊維は腸内でフィルターのような役割を果たし、その後にとった糖の吸収を遅らせ、血糖値の上昇をゆるやかにします。野菜だけでなく、脂質や蛋白質も先に食べれば、糖の吸収を遅らせる効果があります。そのため、糖質(カーボ:Carbohydrate)を最後に食べる「カーボラスト」が、血糖コントロールにおける食事指導の常識になりつつあります。
2.毎日の朝食で高脂質のコーヒー、蛋白質、食物繊維でセカンドミール効果
私は朝食を抜いたことは無いです。朝からしっかり食べます。

シリコンバレー式ダイエットのコーヒー(シリコンバレー式自分を変える最強のダイエット、デイブ・アスプリー、ダイヤモンド社)のオリジナルのものでは、当日挽いたコーヒー豆をステンレスフィルターで濾してグラスフェッド(牧草で育てた牛)のバター、M C Tオイルを加えるのですが、私は更にアマニ油と牛乳を加えたコーヒーを毎日朝に飲んでいます。夕食と同じぐらいの食事量で、このオイルリッチなコーヒーに魚油のサプリメントも服用するので、朝から高品質の油脂と蛋白質と食物繊維を摂ることでインクレチン分泌を促し、朝食後だけでなく昼食後と夕食後の血糖の上昇を抑えています。
朝食を抜くと、その後の昼食や夕食で血糖値が上がりやすくなり、一方で、朝食をとることで、昼食・夕食後の血糖上昇が比較的ゆるやかになること(セカンドミール効果)が分かっています。ですから、まずは朝食を抜かないことが大切です。
朝食にタンパク質をしっかり摂ることで、小腸からインクレチンの一種であるGIP(グルコース依存性インスリン分泌刺激ポリペプチド)やGLP-1(グルカゴン様ペプチド-1)の分泌が促され、その後の血糖値の上昇が抑えられます
朝食に良質な脂質や食物繊維を摂ることで、小腸から「GLP-1(痩せホルモン)」の分泌が促され、昼食や夕食時まで血糖値の上昇を穏やかに抑える効果が期待できます。
GLP-1を増やす朝食のポイント
- 良質な脂質やEPAの活用:青魚やオリーブオイル、ナッツなどに含まれる健康的な脂質や脂肪酸がGLP-1の分泌を刺激します。
- 食物繊維との組み合わせ:海藻、きのこ、野菜、全粒粉などを一緒に摂ることで、さらに分泌が活発になります。
- 食べる順番と噛む回数:食物繊維やタンパク質を先に食べ、よく噛んで時間をかけることでGLP-1の分泌を高められます。
朝食のタンパク質とGIPの効果
- インスリン分泌の促進: タンパク質刺激によって分泌されたGIPは、膵臓(すいぞう)のβ細胞に働きかけ、血糖値に応じてインスリンの分泌を促します。
- 血糖値スパイクの抑制: 朝食でタンパク質を補給すると、朝食時だけでなく昼食や夕食後も含めた1日全体の血糖変動(血糖値の乱高下)が穏やかになります。
3.料理は「焼く・揚げる」ではなく、「生・茹でる・蒸す・煮る」を選ぶ
体内に存在するAGEsの約3分の2は体内で作られたもので、残りの約3分の1は食事や喫煙で外から取り込まれたものです。そこで、できるだけAGEsが少ない食べ物を食べるようにしています。昼食は発酵食品と茹で卵以外は生なのでAGEsはゼロです。夕食と朝食に揚げ物と焼き物がありAGEsがありますが許容範囲です。
調理法では、生、茹でる・蒸す、煮る、焼く、揚げるの順にAGEsが作られやすくなります。調理温度が高いほどAGEsが多く作られやすく、食材中に水分が多くあると、糖とたんぱく質の結合が邪魔されやすくなります。水で煮たもののほうがAGEsは少なく、逆に「揚げ物」はAGEsが最も作られやすい調理法だといえます。
AGEsは、糖とたんぱく質が加熱により「メイラード反応」を起こすことによって作られます。こんがりきつね色になるものといえば、焦げ目がつくくらい焼いたもの、油で揚げたもの。焼いたものは、焼き目がついているものほどAGEsが多いです。
4.糖質の重ね食べは厳禁、高G I食より低G I食を選んで血糖のピークを抑える
うどんとおにぎり、うどんとかやくご飯、ラーメンと炒飯、パスタとピザ、パスタとパン、焼きそばとご飯などの糖質の重ね食べが外食のメニューであったりしますが、これらは食べません。主食は一つにします。
ある食品を食べた後に血糖がすぐに上昇するかそうでないかの指標が、G I(Glycemic Index)です。ブドウ糖の100が基準値で
- 低GI(55以下): そば、全粒粉パン、きのこ、豆類、肉、魚、牛乳など(血糖値の上昇が穏やか)。
- 中GI(56〜69): オートミール、さつまいも、パイナップルなど。
- 高GI(70以上): 白米、食パン、もち、じゃがいもなど(血糖値が急上昇しやすい
私の昼食のゴリラ食や朝夕の食事はほぼ低G I食です。外食でメニューを決める時には
5.酒を控えて食べ過ぎを防いでアルデヒドスパークによるAGEs産生を減らす
アルコールを飲むと食欲が増し、酔いが回るとどれだけ食べたのか分からなくなって食べ過ぎます。前は毎日晩酌をしていたけれど、アルコールで睡眠の質が悪くなって翌日の仕事のパフォーマンスが落ちることに気になり、5年前からウィークデイは飲まないようになり、最近は車の運転のない外食の時ぐらいしか飲まなくなりました。飲酒を減らしたらバカみたいな食欲をコントロールできるようになりました。
前はビュッフェなら全部の料理を食べるくらい多く食べていたのに、最近は用意された食事量が多いと感じたら全部食べずに翌日に回して食べ過ぎないようにしています。
糖化の原因は食事の度に発生しているアルデヒド(アルコールの代謝物でもある)です。食後に血糖値が上昇すると同時にアルデヒドが一気に増加する「アルデヒドスパーク」が起こります。この急増したアルデヒドが体内のたんぱく質と結びつき、糖化反応を加速させ、終末糖化産物(AGEs)の蓄積を後押ししてしまいます。アルデヒドは食事のたびに発生しています。糖質に限らず脂質もとり過ぎるとアルデヒドの発生につながるほか、飲酒も大きな要因であることが明らかになっています。さらに、飲食に限らず喫煙やストレスもアルデヒドの発生の原因になるといわれています。
6.ご馳走はゆっくり食べて味わい尽くす。酒は調味料と心得る
ここまで、糖化を防ぐ手立てを講じてきましたが、「大好きな甘いものが毒になるなんて酷い話。修行僧みたいな食事を勧めるのか。楽しくないじゃないか」という不満の声が聞こえてきます。
「会食でご馳走、アフタヌーンティー、スイーツビュッフェなど糖化が進みそうな食事になっても食べ過ぎないように残すのですか」と問われれば、「残すなんて勿体無い。全部食べます」と答えます。
リラックスして、出された料理の見た目とお皿を愛でて、一口一口味わって食べます。ゆっくり咀嚼して時間をかけて食事します。部屋の調度を楽しみ、同席の人との会話を楽しみます。血糖の上がりそうな食事でも、食事に時間をかければAGEsの産生は緩和されます。
まず料理を口にして、舌が料理の味に慣れてきた段階で酒を口にすると、味覚がリセットされて次の一口が美味しくなります。酒は飲んで酔うためではなく、食事を味わうための料理の脇役という存在と心得ます。決して空腹で酒を飲まないことです。この飲み方ならアルデヒドスパークも低くAGEsの産生は緩和されます。
HbA1c(ヘモグロビン・エーワンシー)とは、赤血球の中にある酸素を運ぶ蛋白質(ヘモグロビン)にブドウ糖が結びついた割合を示し、過去1〜2ヶ月間の平均的な血糖値を反映する重要な検査値です。この値が上昇してきたら糖尿病の可能性がありますが、同時に糖化リスクも高まっていると考えられます。40歳以上の健診で測定されるHbA1cは、最も明確な糖化のマーカーです。
あぶみ小児科クリニックには指先採血して数分でHbA1c測定ができる機械がありますので、他の病気の診察の際にでも相談いただけたらと存じます。





